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蒲田つなぐ「蒲蒲線」が2030年代後半開業目指す 費用負担は大田区7割、東京都3割で合意

 東京都大田区は6日、約800メートル離れたJR・東急電鉄の蒲田駅と京急電鉄の京急蒲田駅を接続する蒲蒲線(新空港線)の2030年代後半開業を目指し、都と事業費の負担割合について合意したと発表した。1360億円と試算した事業費のうち、自治体が出資する450億円は、大田区が7割、都が3割を負担する。区は本年度中に路線の整備主体となる第3セクターを東急などと設立し、着工に向けて国との協議を本格的に開始する。

 大田区が1982年に構想した蒲蒲線は、東急多摩川線を矢口渡駅付近から地下化し、JRと東急の蒲田駅、京急蒲田駅を経て、京急空港線に乗り入れる。今回、区と都が合意したのは東急多摩川線を京急蒲田駅まで延伸する第1期工事部分で、ここは、国の鉄道整備計画の指針を示す交通政策審議会が2016年、「計画の検討は進んでおり、事業化に向け合意形成を進めるべきだ」と提言していた。
 国の制度で、事業費は、国、自治体、第3セクターが3分の1ずつ負担することになる。この自治体負担分について、区は2035年を計算上の開業年として割合をどうするか都と交渉を進めていた。都の合意が得られたことについて、区役所で記者会見をした松原忠義区長は「悲願の整備に向け、大きな第一歩を踏み出した」と述べた。

 蒲蒲線は、羽田空港から渋谷、埼玉方面へのアクセスが格段に便利になる期待がある。着工時期は未定。都市計画決定の手続きから10年はかかるという。また京急蒲田駅から大鳥居駅の手前で京急空港線に乗り入れる2期工事は、東急と京急の軌間(線路の幅)の違いなど課題が解決されていないため引き続き検討を進める