だが、ふたりの間柄はたんなる「組織委会長と参与」というようなものではない。じつは、夏野氏は早稲田大学在学中、森氏の事務所に通っていたというのだ。

 実際、2012年におこなわれた「ニコニコ超パーティー」では、最終日のゲストとして森氏が登場し、「あのね、みなさんね、夏野さんはね、学生時代は私の事務所にいつもいたんです。本当だよ」「ちゃんと就職できるようになったのは私のおかげなんですから」と発言。森氏は学生時代の夏野氏の写真を持参してその場で見せびらかすほどだったのだが、対して夏野氏は、こう呼応したのだ。

「ITがあるのも森元首相のおかげ! ニコ動があるのも森元首相のおかげ! 僕があるのも森元首相のおかげ!」

「僕があるのは森元首相のおかげ!」──もちろん、会場の観客を盛り上げるための煽り文句の意味合いもあったのだろうが、ようするに夏野氏は森氏の“茶坊主”的存在だったというわけだ。

 東京五輪のスポンサー選定で絶対的発言力を持っていた森前会長、そして森氏を“育ての親”に持ち、市民を足蹴にしてまで東京五輪の旗振り役を担ってきた夏野氏。たとえ夏野氏がKADOKAWAの汚職事件に直接関与していなかったとしても、その責任は重大だ。


しかも、五輪開催に伴う羽田新飛行ルート運用反対派住民に対する前述の「B-2爆撃機で絨毯爆撃」「全員コロせ」発言。こんな人物がメディア企業のトップに立ち、メディアでニュースの論評をしていいのか。

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