沼津市戸田の展望地「出逢い岬」付近で心中を図ろうとした際に息子の自殺を手伝ったとして、自殺ほう助の罪に問われた愛知県岡崎市、無職の男(64)の論告求刑公判が9日、静岡地裁沼津支部(室橋秀紀裁判官)で開かれ、検察側は懲役2年を求刑した。
 検察側は論告で、知的障害のある被害者は、被告から「一人で生きていけるか」と尋ねられ死を決意したと指摘。被告の言動は、被害者の意思決定に大きな影響を及ぼしたとし「わが子にまで自死を選択させた動機や経緯に酌むべき事情は乏しい」と述べた。一方、弁護側は「息子をおもんぱかった結果巻き込んでしまった。反省している」などと執行猶予付き判決を求めた。
 起訴状などによると、被告は4月15日午後6時ごろから同7時ごろまでの間に、心中しようと訪れた沼津市戸田の駐車場で、長男=当時(31)=の首に電源コードを巻き付け首をつらせて窒息死させ、自殺をほう助したとされる。

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