文藝春秋10月号より、全25ページにおよぶ座談会「統一教会と創価学会」の一部を掲載します(司会・宮崎哲弥〔評論家〕、島田裕巳〔宗教学者〕、仲正昌樹〔金沢大学法学類教授〕、小川寛大〔『宗教問題』編集長〕)。

(中略

島田 集票マシーンとして最も強力な力を誇るのは、やはり創価学会でしょう。公称827万世帯が会員ということになっており、新宗教としては日本最大の勢力を誇ります。ただ、のちほど詳しく述べますが、これはかなり誇張された数字です。

小川 教勢としては、池田大作名誉会長が前面に出ていた頃に比べると落ちていることは明らかですね。ただ、自民党にとって創価学会の力は依然として大きい。

先日、自民党のベテラン議員が興味深いことを教えてくれました。その議員の選挙区では有権者の5%程度の創価学会員がいるそうです。5%というと少なく見えるかもしれませんが、投票率が五割程度の中、彼らは必ず投票に行くので、実際の選挙では学会票の比重は2倍の10%になる。さらに、野党が統一候補を立てて1対1の与野党対決型になる最近の小選挙区では、ほとんどの学会員は自民党に投票します。その結果、蓋を開けると自民党候補者の得票数の2割前後を学会票が占めることになる。「これで創価学会にケンカを売れると思うか?」と、そのベテラン議員は言っていました。

(後略