東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会がスポンサー獲得業務の委託先として
広告大手「電通」を指名した後に、いったん見送られた電通元専務・高橋治之容疑者(78)の
組織委理事への就任が決まったことが、関係者への取材で分かった。

 東京地検特捜部は、高橋元理事が電通とセットで、スポンサー獲得を任務とする理事に選任されたとみて、
選任の経緯を重視。スポンサー選定をめぐる高橋元理事の職務権限を裏づける要素とみて調べている。

 組織委は2014年1月に発足した。当時の定款では理事の上限は35人で、34人は同年3月に決まった。

 関係者によると、電通OBとして世界のスポーツビジネスの要人と人脈がある高橋元理事も候補に挙がった。
一方で組織委は、スポンサー獲得業務を委託する「マーケティング専任代理店」を指名するコンペを実施中だった。
コンペには電通以外の広告会社も参加しており、電通の指名が不確定な段階での高橋元理事の選任は見送られたという。

 組織委は同年4月、専任代理店に電通を指名。
高橋元理事はその2カ月後の6月、35人目の理事として追加で承認された。

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