ワクチン委託料詐取 容疑の医師「希望者には生理食塩水打った」
スクープ
2022/9/14 05:00

 新型コロナウイルスワクチンを接種したと偽り、業務委託料を詐取したとして詐欺容疑などで警視庁に逮捕された東京都北区の「王子北口内科クリニック」院長、船木威徳容疑者(51)=同区=が、「接種希望者には生理食塩水を打ったこともある」と供述していることが13日、捜査関係者への取材で判明した。船木容疑者はコロナワクチン接種に否定的だったといい、捜査2課は患者に偽って食塩水を打ったとみて事実関係を慎重に調べる。

 船木容疑者は2021年10~12月、実際にはワクチン接種していない札幌市の50代女性らの虚偽の予診票を作成し、同市から業務委託料計約1万4000円を詐取したなどとして逮捕された。女性はワクチンに反対の立場で、接種証明目当てに船木容疑者に接種偽装を依頼したとされる。ただ、同クリニックの患者などには本当に接種を希望する人もいたという。

 船木容疑者は2課の調べに「さまざまな人に頼まれてワクチンを打ったことにして予防接種済み証を作った」と供述。その一方、「ワクチンを受けたいという人がいたら、危険性を説明し、それでも受けたい人には生理食塩水を打った」と説明している。

 北区保健所には今年1月、同クリニックで接種を受けた区民から「接種したのに抗体値が低い」「生理食塩水を打たれたようだ」といった相談があった。これまで健康被害は確認されていない。関係者によると、食塩水が実際に打たれたとしても人体に影響はないという。

※略※

https://mainichi.jp/articles/20220913/k00/00m/040/246000c