【ニューヨーク=弓真名】米東部ニューヨーク州のホークル知事は9日、ポリオウイルスに関する緊急事態宣言を発令した。ポリオワクチンを投与できる医療従事者を医師や看護師から助産師、薬剤師などにも広げ、迅速に予防接種の普及率を上げるねらいだ。
まずは10月9日までの1カ月間の期間に限定して実施する。

米国ではワクチンによって根絶したと考えられていたポリオウイルスだが、2022年に入り、ニューヨーク州内のワクチン未接種者から感染例が出た。
ニューヨーク市中心部など住民の99%以上が接種を終えている例もあるが、郊外を中心にワクチンが行き渡っていない地域も多い。
州全体の2歳以下のポリオワクチン接種率は79%にとどまっている。

8月にかけてはニューヨーク州内の下水からもポリオウイルスがみつかった。州は感染拡大へ警戒感を強めており、ワクチンの普及を急いでいる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09DWS0Z00C22A9000000/