自分の苦しさを必死で訴える高校生に、橋下さんは「府財政の現状をわかってますか?」「日本のGDPはどれぐらいだと思います?」などと逆質問をぶつけてくるんです。
こちら側は答えられず言葉に詰まる。さっき言ったように泣いてしまう人もいる。テレビはそういうところだけを切り取って流すんです。
ほんとうは、私たちの側も「自己責任だけで語ってほしくない」「教育は学力だけが目的じゃないはず」と、言うべきことも主張した。
それなのに、「わがままな高校生たちが自分勝手な甘えた主張をして、橋下さんに論破された」という印象のニュースに仕立てられる。
『ミヤネ屋』のアナウンサーや、フジテレビのニュースの木村太郎さんなんかは「私学助成は憲法違反だ」と言っていたのを覚えています。
そういう報道を見た人たちから、学校に抗議や嫌がらせが相次いだそうです。
「甘えたことを言うな」「どんな教育をしてるんだ」って。私の卒業後には、「あの学校は日の丸を掲げてないらしい」「授業で貧困問題など余計なことを教えているようだ」という話に広がっていったとも聞いています。