
インド東部オリッサ州の6研究機関に所属する複数の研究者が、全文を盗用した疑いのある論文を少なくとも207本、同じ国際学術誌に掲載していることを毎日新聞が確認した。東京大や京都大など日本の研究者の論文6本も盗用されていた。
学術誌は、ずさんな審査(査読)で論文を掲載する粗悪誌「ハゲタカジャーナル」(ハゲタカ誌)とみられる。6研究機関の研究者がどういう関係かは明らかになっていないが、組織的に盗用を繰り返している可能性もある。専門家は「一つの学術誌では世界最大規模の全文盗用」と指摘する。
この学術誌は工学系の「インターナショナル・ジャーナル・オブ・リサーチ・イン・エンジニアリング・アンド・サイエンス(IJRES)」。2013年設立とみられ、出版社の所在地は明かされていない。
掲載料は、インド人は1000インドルピー(約1700円)、他の研究者は30ドル(約4200円)。査読付きだが「(投稿から)48時間以内に論文を掲載する」としている。一般的な学術誌と比べ、掲載料の安さや査読期間の短さは異例だ。
今春、日本人研究者から「論文の全文を盗用された」という情報が毎日新聞に寄せられた。掲載誌はIJRESで、著者はオリッサ州の研究機関の研究者だった。
毎日新聞がこの情報をもとに、13~22年にIJRESに掲載された論文3395本(7月末時点)を調べたところ、…
https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/040/120000c