雌は卵がかえるまで、餌を食べることもやめてしまいます。じっと側にとどまって見張っているのです。さらに、時々自らの皮膚を剥ぎ取ったり、触手の先端をちぎって食べて死に至ることもあります。

今回、シカゴ大学の研究で、なぜこういった残酷な終わりを迎えるのかがわかってきました。それには、ヒトの下垂体に似た、タコの両眼の間にある「視柄腺」が関わっているようです。研究は“Journal of Experimental Biology”で発表されています。

1977年、この視柄腺を取り除くと、母タコの母性行動が消失することが発見されました。その結果、卵を放置して餌を摂り始め、ずっと長生きしました。生殖器官の成熟は、視柄腺からの分泌物によって引き起こされると考えられています。そして同じ分泌物が、消化腺や唾液腺とも相互作用しており、その結果タコは餓死してしまうというのです。

https://news.nicovideo.jp/watch/nw4034560