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ゼレンスキー氏「渡航困難」 国連総会ビデオ演説へ

国連総会(加盟193カ国)は16日、全体会合を開き、ウクライナのゼレンスキー大統領が20日に始まる一般討論演説で事前録画のビデオを使って演説することを認める決議案を賛成多数で採択した。決議は「(ロシアによる)侵略の続行が(ゼレンスキー氏の)安全な海外渡航を許さない」としている。

米英仏やインドなど101カ国が決議案に賛成し、ロシアや北朝鮮、シリアなど7カ国が反対した。棄権は中国やイラン、南アフリカ、ブラジルなど19カ国。

過去2年の一般討論演説では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてビデオ演説が認められていたが、今年は直接出席が基本となっている。各国の首脳級が国連総会に集まって討論するのは侵攻後初めて。ウクライナが決議案を起草し、日本やトルコを含む56カ国が共同提案した。

これに対し、ロシア代表は反対演説を行い、「アフリカ諸国の代表は過去に同様の権利を拒否された」と主張した。ロシアと軍事同盟を結ぶベラルーシは全ての国にビデオ演説を認める修正決議案を提出したが、反対多数で否決された。
ゼレンスキー氏のビデオ演説は21日午後(日本時間22日午前)の予定。ただ、19日のエリザベス女王国葬に出席する首脳も多く、日程は流動化している。例年初日に行われるバイデン米大統領の演説は20日から21日に変更された。