10月15日に予定されている安倍晋三元首相の山口県民葬に関し、費用が6300万円に上ることなど詳細を発表した山口県の村岡嗣政知事。
「(安倍元首相は)憲政史上最長の長きにわたり重責を果たし、県政のさまざまな面でも後押しをいただいた」と実施の意義を強調した。
一方で、市民団体や県内野党などからは「賛否は分かれており税金を使うことには反対だ」といった声が上がっている。

元県職員の松林俊治さん(75)が実施した県への情報公開請求によると、8月18日までに県に電話やメールで寄せられた県民葬に関する意見は、
総数137人のうち賛成13人、反対124人だった。県外からも意見が寄せられたという。
松林さんは「反対の人の意見を聞かずに、県民の賛否が大きく分かれている行事に税金を使うのは反対だ。押しつけになるのではないか」と疑問を呈した。

中央大学の宮間純一教授(史学)は、歴史上、公的機関による葬儀は共同体の結びつきを強めるために利用されてきたと指摘。
「県民による選挙で直接選んだわけではない首相を県民葬の対象にするのはおかしいのではないか」と話す。
反対意見もある中で、「県民」を冠した葬儀を実施することは「内心の自由を侵害する可能性もある」とした。

https://mainichi.jp/articles/20220914/k00/00m/040/041000c