https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1361801958

「昔の人は」とあるので、いちおう昔の事情も書いておきます。

「い」と「ゐ」、「え」と「ゑ」は、単語によって使い分けられていたのです。
たとえば「射る」を仮名で書く時には「いる」、「居る」の時は「ゐる」のように。
また同じ「え」でも、「枝」の場合は「え」で、「絵」や「餌」の場合は「ゑ」。

まあこれも、おおもとをたどれば音の違いに行きつくのでしょう。
ですが、「ゐ」の音が「い」に吸収されたあとでも、単語(意味)を書き分けるために文字を使い分けたのです。

他の例として、童謡「ふるさと」に「いかにいます父母」という歌詞があります。
この「います」は歴史的仮名遣いを考えると「います」と「ゐます」の二とおりが考えられます。
(歴史的仮名遣いでは、「います」と「ゐます」とでは意味が異なります)

作詞者は「います」のつもりで作ったのでしょうが、現代仮名遣いの考え方でゆくと、どちらか決められません。
その点、「い」と「ゐ」の書き分けがなされていれば、発音こそ同じであっても、意味の違いが明らかに分かるのです。

こういった事情は、福田恆存の『私の国語教室』に詳しく書かれています。