生保申請で「無低」にブチこまれた23歳男性の恐怖

仕事も住まいも失い、料金未払いで携帯電話の通話機能も止められたナオトさんは今年1月、都内の自治体の福祉事務所に足を運んだ。その際、担当者に「無低には行きたくありません」と伝えた。ネット記事やSNSなどで無低の悪評を知っていたからだ。しかし、返事は「携帯で連絡が取れない人は無低に入ってもらうしかない」と取り付く島がないもの。「どうしても行かなきゃダメですか」と食い下がったものの、対応は変わらなかったという。

渡された地図を頼りにたどり着いた無低では、早速契約書を書かされた。諸費用の中でも意味不明だったのは「基本サービス費」の月額1万6500円。生活や就職のための相談料と説明されたが、入居中、そうした支援は皆無だった。食事についても、食が細いナオトさんは1日3食の必要はないので、食費は自分でやりくりしたいと訴えたものの、選択の余地はないといわれた。契約は両者合意が当然のはずなのに、ナオトさんの意思はいっさい無視。入居後、手元には毎月4000円も残らないとわかったときは愕然としたという。

日々の暮らしにも多くの制約があった。外出するときは職員に報告しなければならず、門限は午後5時。起床や入浴の時間も決まっていた。食事も、食堂が狭かったので入居者は番号で呼ばれた順に交替で入室し、15分ほどで済ませなければならなかった。

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