三冠王と本塁打記録更新の期待がかかるヤクルトの村上宗隆選手(22)は24日、本拠地でのDeNA戦で14打席ぶりとなる安打を放ったが、期待のホームランは出ず8試合ノーアーチ。歴代単独2位の56号ホームランはお預けとなった。

 「4番・三塁」で先発出場した村上は、5回一死一塁の場面で迎えた第3打席、左腕の田中健二朗が投じたカウント1-1からの外角直球を弾丸ライナーで右中間へ弾き返し、21日・中日戦の第2打席以来となる安打を放った。

 しかし、この日は5打席に立ち4打数1安打1敬遠の成績。13日・巨人戦で55号を放って以降は打率.115(26-3)と調子を崩しており、首位打者を争う中日・大島洋平(打率.320)との打率差も5厘差に詰まってきている。

24日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した“平成唯一の三冠王”松中信彦さんは「一時期は完璧に100%いけると思ったんですけど、ここにきて急降下したので、打率が気になってきましたね」と、三冠王を目前にして状態を落としている村上を心配。

 松中さんは同日の試合で二塁打を打った打席と、好調だった時期の村上の打撃フォームを映像比較し、なぜ村上が不調に陥っているのか、打撃状態を分析した。

 「よく打っていたときは右足を上げて、左足に(重心が)乗る時間があるんですけど、今は軸足に乗る時間が少ないんですよ。だから“間”がないですし、ゆったりタイミングをとれていない。いまはボールを“線”ではなく“点”で捕らえているので調子が落ちている。ボールが上がらないので強引に振りにいって、引っ張ったらゴロが多いという悪循環になっている」

 「こういうときこそ緩いボールを打って、しっかり1回左足に乗る時間をとる。少しでもその時間(=間)があればすぐ調子は戻ってくると思うんですけどね。ここが修正ポイントじゃないかと思います」

 チームは24日の試合に勝利し、優勝へのマジックナンバーを「2」に減らした。25日のDeNA戦に勝てば、本拠地・神宮球場で2年連続のリーグ優勝が決まる。

 「村上選手、いってほしい。打って優勝決めてほしい!」と松中さん。同郷熊本の先輩は、若き大砲の一日も早い復調を願っている。

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