『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)以来、映画史最高の悪役のひとりであるダース・ベイダー役の声を務めてきたジェームズ・アール・ジョーンズが、同役を引退することがわかった。今後ベイダーの声は人工知能によって表現される。

91歳(本記事時点)となるジョーンズは『スター・ウォーズ』旧3部作のほか、『エピソード3/シスの不復讐』(2005)に加え、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)やアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」(2014-2018)でもベイダー役の声を演じた。直近では、ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」(2022)も担当している。ダース・ベイダーは今後のドラマ「アソーカ」にも登場することとなっている。

米Vanity Fairによれば、ルーカスフィルムは今後のベイダー役の声を、ジョーンズの過去の音声素材を用いた人工知能による合成音声技術によって再現する。ジョーンズはこの考えに応じ、アーカイブ音声の使用契約に合意した。かねてよりベイダー役から退くことを検討していたという。

合成音声技術はウクライナのスタートアップ企業であるRespeecherが提供する。同社はドラマ「ボバ・フェット」で、若きルーク・スカイウォーカーの声を蘇らせた実績を持ち、既に「オビ=ワン・ケノービ」のベイダーの声も同社の技術によって再現度が高められている。なお「オビ=ワン」時のウクライナはロシア侵攻下にあり、Respeecherの社員らは空襲サイレン鳴り響く避難体制の中、急ピッチで作業に取り組んでいたという。

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