プーチン政権に膨らむ不信感、ロシアで徴兵事務所放火17件…拘束計2350人に

ウクライナ侵略を巡るロシアの部分的動員への抗議活動が拡大を続けている。独立系ニュースサイト「メディアゾーナ」は25日、徴兵事務所や関連施設への放火が21日の発令以降、17件に上っていると報じた。プーチン大統領らが動員対象として説明した「軍務経験者の予備役」とはかけ離れた招集の実態が相次いで伝えられ、政権に対する国民の不信感が膨らんでいる。

露国内で抵抗運動を呼びかけるSNS「ロスパルチザン」によると、南部ボルゴグラード州の徴兵事務所に26日未明、火炎瓶が投げ込まれた。

 プーチン政権は2月の侵略開始後、反戦運動に対する罰則を強化し、封じ込めてきた。独立系人権団体によると、21日の部分的動員の発令以降、抗議行動での拘束者数は計2350人を超えた。

 プーチン政権が動員の批判をかわすため、招集の実務を州や共和国など地方行政府任せにしていることが混乱を招き、抗議行動が止まらなくなっている。

 地方行政府は政権側に課されたノルマを達成しようと、学生や高齢者など動員対象でない人にも招集令状を配布した。動員規模は30万人としたセルゲイ・ショイグ国防相の説明を信じる国民は少なくなっている。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220927-OYT1T50038/