ロシア実効支配のウクライナ4州 「住民投票」賛成多数と発表
2022/9/28 09:05

ロシアが実効支配しているウクライナ東部と南部の計4州で27日、ロシアへの編入の是非を問う「住民投票」が締め切られ、即日開票の結果、賛成票が多数を占めたと発表された。4州の親露派勢力は今後、ロシアに編入を要請し、ロシア上下両院での採決を経て、プーチン露大統領が編入を宣言するとみられるが、国際社会からは投票の正当性を疑う声が相次いでいる。

 投票が実施されたのは、東部ドネツク、ルガンスク両州と南部ヘルソン、ザポロジエ両州。タス通信によると、暫定集計の結果、賛成票はドネツク州で99%、ルガンスク州で98%、ザポロジエ州で93%、ヘルソン州で87%を占めたという。

 ロシア下院は29日に編入受け入れの是非を採決する見通しだが、上院の審議日程は確定していない。当初は上下両院での迅速な採決を経て、プーチン氏が30日にも編入を受け入れる文書に署名するとみられていたが、10月上旬に先延ばしされる可能性も浮上している。

 ロシアは2014年にもウクライナ南部クリミアを占拠したうえで、地元議会に編入の是非を問う「住民投票」を強制的に実施させてから、自国領に組み込むと表明していた。欧米諸国は直後に経済制裁を発動したが、ロシアによるクリミアの実効支配は続いている。

https://mainichi.jp/articles/20220928/k00/00m/030/020000c