変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、6月29日発売)は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)で、IGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏だ。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていく時代。これからは、組織に依存するのではなく、一人ひとりが自立(自律)した真のプロフェッショナルにならざるを得ない。本連載では、そのために必要なマインド・スキル・働き方について、同書の中から抜粋してお届けする。

● CGという第3の軸を持ち込んだ中国のアニメ業界

 少し前までアジアで人気だったのは日本のアニメですが、私が住んでいる東南アジアでは『斗罗大陆』や『吞噬星空』など中国のアニメが人気となっています。日本のアニメ業界の関係者からすれば、それらは日本アニメの模造品かもしれませんが、アジアの消費者は、ハイテクのコンピューターグラフィックス(CG)を駆使した中国製のアニメを好んで観ています。今後は、人工知能によってストーリー自体も自動生成されることでしょう。

 私はアニメの専門家ではありませんが、これまでにヒットしたアニメはキャラクターかストーリーが秀逸だったものと理解しています。それに対して、中国はCGという第3の軸を持ち込んでいます。大量のエンジニアを抱えている中国の特性を基にアニメ業界の工業化を一気に進めた結果、属人的ではない工業製品をアニメという形で大量生産しています。

● アーキテクト思考の重要性が高まっている

 他の業界でも同様の現象が起きていて、例えば米国で大人気のファッションブランドであるSHEINは中国国内向けには販売をしていない中国企業です。なお、SHEINの売上高は2.5兆円とも言われています。

 グローバル化とデジタル化が急速に進展した結果、業界や国といった垣根がなくなり、それまでの常識が通用しなくなっています。アニメ業界にしても、日本アニメのレベルが落ちたというよりも、新たな競争環境に日本のアニメ業界が対応できていないと理解する方が自然です。

 このような現象が世界中の多くの市場で起きている結果、人間の寿命と比較して会社の寿命が圧倒的に短くなっています。したがって、会社に依存して今あるものの延長で考えるのではなく、皆さん自身が、新しい世界をゼロベースで構想できる力である「アーキテクト思考」を身につけて、将来を構想することの重要性がより一層高まっているのです。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/19376d43b0d7777ef2ae733989d48e55a0877e6a