首相、4本柱の総合経済対策を指示 物価高騰に危機感「政策総動員」

岸田文雄首相は30日の閣議で、総合経済対策を10月末までに策定するよう関係閣僚に指示した。物価高騰・賃上げへの取り組み▽円安を生かした稼ぐ力の回復・強化▽新しい資本主義の加速▽国民の安全・安心の確保――が柱で、政府・与党が具体策の検討を急ぐ。

 岸田氏は閣議で、世界的な物価高騰に強い危機感を表明し「あらゆる政策を総動員し、『戦後最大級の難局』に対峙(たいじ)する」と強調した。政府は10月中に経済対策を取りまとめ、財源の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案を秋の臨時国会に提出、年内の成立を目指す方針だ。

 政府は9月上旬、ガソリンなどの燃油高対策の延長などを柱とする物価高対策をまとめている。ただ、今後もエネルギー価格高騰で電気料金の大幅な値上がりが見込まれることから、岸田氏は29日に「激変緩和を目的とした新たな制度を創設する」と表明。物価対策を強化し、経済対策の目玉とする考えだ。

 同時に物価高による家計への打撃を緩和するため、「物価上昇についていく継続的な賃上げ」を目指す。賃上げ促進に向け企業に対する優遇措置を強化し、国内の賃上げ機運を盛り上げていく。

 物価高騰の一因となっている歴史的な円安を逆手にとって、円安メリットを生かした対策も講じる。水際対策の緩和に伴って期待される訪日外国人客(インバウンド)需要の回復・拡大に加え、対日直接投資の促進、農産物の輸出拡大など外需の取り込みに全力をあげる。


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