アフリカやアラブ、アジアの国々にルーツを持ち、フランスに暮らしながらも「白人」ではないフランス人は少なくない。そんな「非白人」の若者たちの悩みの一つが、出会いの場における人種差別的なステレオタイプやフェチシズムだという。仏紙「ル・モンド」が、彼らの恋愛への茨の道を伝える。
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有利な人種・不利な人種

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人間性の剥奪


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「日本人みたいなアンダーヘアなの?」
こうした出来事はオンラインだけの話ではない。クリステルは、オフラインでの同様の逸話にも事欠かない。2021年、実際に会ったある男は彼女に「すごい良い匂いがする」と言って驚いた。「ふつう黒人て臭いから」と。
「そして彼は、『黒人と寝られて嬉しい』と言ったら怒ってしまった女性に対して文句を言い始めました。それはまるで別の生き物との経験を話すようで、私は彼に何が問題か説明を試みましたが、彼の反論はこうでした。『褒め言葉ととるべきだよ。黒人は白人に提供すべき特別なものがあるんだ』」。彼女は彼にとって「白人みたいに細いのにお尻が黒人らしく大きい」ことから「妄想通り」だったらしい。
特に女性たちは、ときに非常に下品で過剰な性対象化の定型句も同時に受ける。「出会いの場面で、人種差別が明らかな性差別と結びつくわけですから、二重の痛みがあります」とグラース・リーは分析する。「私たちは絶えず性差別的な見方をされています。たとえば、アジア人は『あそこが狭い』と思われているように」。また、非白人女性に関するイメージは、一般的な映画によって広まったと彼女は指摘する。アジア人女性はよく売春婦や芸者の役を演じていると話す。
フランス生まれのベトナム系女性のエレーヌは、ティンダーでも、パーティーで実際に出会う場合でも、カップルになる前に「イエロー・フィーバー」の兆候のある人は排除するように努めるという。イエロー・フィーバーとは、アジア系に対する執着を表す言葉で、アジア系の人々を性的対象ないし戦利品として片付けてしまうことである。
「アジア系の女として、そこに関わらないわけにはいきません。それは明らかに『素直で優しく、ベッドで従順なアジア人』という偏見のフェティッシュ化です」。イエロー・フィーバーははっきりと性的な意味を含んでいる。「日本人みたいなアンダーヘアなの?」、「日本のポルノみたいに喘ぐの?」と聞かれたこともあると話す。
略奪するための「領地」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/4c540dd34ea85212f264f5f9f62a5fb9f3ede8ee
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