—歌丸師匠にとっての笑点とは。

歌丸:ああいう大喜利物というのは噺家でなければできないものですからね。
昔から大喜利物というのはあるわけです。それで、たまたまああいう番組に出してもらって、
世間の人が言えないようなことを代弁していると思って、政治家のことでも世の中のことでも全部喋っちゃいます。
それで視聴者の方々に憂さを晴らしてもらう。そんなような役目になっちゃったわけですね。
別に役づけを決めたわけじゃないんですけれどもね。だから、政治家の悪口だって何だって随分言いましたよ 。

—歌丸師匠の回答には、そういうイメージがあります。

歌丸:あるときね、飛行機の中で通路を挟んである政治家が向こう側の窓際にいたんです。
降りるときにその政治家がすっと私のところに来て「あんまり政治家の悪口言うなよ」と。
だから「悪口言われるような政治家になんなよ」って言ったら、黙って行っちゃった。

―政治家は冗談ではなくて普通に言ってきたんですか。

歌丸:うん、言ったんですよ。多分、悪口言われたんでしょうね、それで言ったんでしょうね。
なに、口きかせればこっちのほうがよっぽどうまいですから。