Teslaを率いるイーロン・マスクは「人手不足」を補うために人型ロボットを開発し、まずは自社工場で人型ロボットを稼働させるつもりだという。

しかし現実には街には失業視野が溢れているのだ。

明けて翌日、Uberを呼ぶと、ボロボロで異臭を放つプリウスが来た。
それでも背に腹は変えられない。彼だってギリギリの生活をしているのだろう。

だが事態は想像しているよりももっとひどかった。

空港の前で大勢がデモをしているのをみた時は、正直、気にもとめなかった。
プラカードに書かれている言葉は「One Job should be enough(一つの仕事で充分であるべきだ)」


ANAのチェックインカウンターが開くと、その異変の正体がわかった。

「ラウンジはストライキであいてないんです。空港内のお店も半分程度はストの影響で営業ができていない状況です」

お詫びとして白い封筒をもらった。ラウンジに入れないことの補償だという。
てっきりクーポンでも入っているのかと思ったら、現金で20ドル入っていた。

クーポンを印刷する手間さえもとれないのだろうか。
寿司屋に入り、好物のレインボーロールを食べることにした。

レインボーロールが15ドルで、酒が10ドル。ラウンジに入れていれば、せめて酒はいくらでも飲めたはずだが、そんなことを言っても始まらない。

「One Job should be enough(一つの仕事で充分であるべきだ)」というデモが起きるのは、それが「一つの仕事だけでは生活できない」という事実を指摘している。しかし、ただでさえ打撃を受けている航空業界が、ベイエリアで暮らすのに十分な俸給を支払うのは構造的に難しいだろう。航空業界はベイエリアのビッグテックの恩恵をほとんど全く受けておらず・・・というよりもむしろビッグテックの作り出したさまざまな遠隔存在(テレ・イグジスタンス)技術によって打撃を受けているわけで、いくら給料を上げて欲しいと言われても、ウェイトレスに年収10万ドルも払える道理がない。

遠からず、ベイエリアからはビッグテック意外の人々が流出し、サービスレベルは低下するか、別料金になっていくのではないか。少なくともここにいてはビッグテック以外の普通の人々が幸せに暮らすことは難しいだろう。

https://wirelesswire.jp/2022/10/83197/?fbclid=IwAR3amagCpJnRcX0YTxwEhew1fQQNBlCiz_Ga8wbk9OFdvsy-grR8mOIr3-Q