https://www.mbc.co.jp/news/article/2022100500060014.html

「子どもが大きくなったら一緒にお酒飲むのを楽しみにしていた」家族3人死亡の火災死因は焼死 鹿児島市

今月2日に起きた鹿児島市の住宅火災で、親子3人の死因は焼死だったことが分かりました。亡くなったのは、歌と焼酎が大好きなお父さん、子どもを愛する熱心なお母さん、いつもにこにこしていた14歳の女の子でした。

この火事は、今月2日夜鹿児島市谷山中央4丁目の会社員・中崎幸男さん(56)の住宅から火が出て、中崎さんと、妻の久美子さん(47)、中学2年生の長女・礼菜さん(14)の3人が死亡したものです。小学5年生の長男は逃げて無事でした。
警察によりますと司法解剖の結果、亡くなった3人の死因はいずれも焼死でした。

(中崎さんが通った店の常連客)
「なかちゃんが来たらお店が明るくなるし、アイドル(のような存在)」

中崎さんが通っていた飲食店の常連客です。「なかちゃん」と呼ばれ慕われていた中崎さんは、歌が大好きで、1曲目は必ず石川さゆりさんの「能登半島」でした。他にも愛した歌があったといいます。

(中崎さんが通った店の常連客)「(河島英五の)酒と泪と男と女、野風増。子どもが大きくなるのを待って一緒に酒を飲みたいんだって話していた。子どもたちの成長を楽しみにしていた」

中崎さんがいつも座っていた席には大好きだった芋焼酎のお湯割りが供えられていました。

中崎さんは、きょう5日に57歳の誕生日を迎えるはずでした。勤務先の会社の代表は「一緒に飲んで祝う予定だったが、残念でならない。」と話していました。
近所の住民らによりますと、妻の久美子さんは明るく気さくで町内会のあいご部の部長を務め、地域の行事にも積極的に参加していました。

(近くの住民)「優しい、子どもを愛する熱心なお母さんだった」

娘の礼菜さんはお母さんっ子でしたが、よく中崎さんとサイクリングを楽しんでいました。

(近くの住民)「いつもにこにこしてかわいらしい子どもだった」

礼菜さんが通っていた学校は「明るく人懐っこい性格で、みんなに愛されるとても優しい生徒でした。心よりご冥福をお祈りします」と突然の死を悼んでいました。

火事のあった現場では、5日も中崎さん家族を知る人たちが次々と訪れ、花やお菓子などを供えていました。
警察は引き続き出火原因を調べています。