安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、奈良県警は安倍氏の演説前に県警本部が作成した警護警備計画書などを、産経新聞の情報公開請求を受け開示した。
ほぼ黒塗りで、当時の情勢について「(安倍氏来県の)抗議などはないが、突発的な不法事案に対する警戒を要する」と記載していた。

開示されたのは、県警本部の警護警備計画書と、現場を管轄する奈良西署が作成した当日の署の警護体制を示した計画書。
警護警備計画書には、安倍氏が銃撃された近鉄大和西大寺駅前の現場配置図や警護の任務や体制、遊説ルートの項目があるが、大部分が黒塗りだった。
県警は理由について「犯罪の予防や捜査、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れがある」としている。

また、署の計画書では同署警備課長の決裁印が押されていない箇所も。県警は「押し忘れによるもの。
計画内容は課長も把握し、指導していた」と説明しているが、急ごしらえで作成したことがうかがえる。