なぜ? 缶飲料の飲み口形状、実は「左右非対称」 容器開発担当に聞いた「小さな工夫と技術」とは(ラジトピ ラジオ関西トピックス)
https://news.yahoo.co.jp/articles/efaa0f40680e6747a915fd5acd9e3532dbe82313

(前略

ビール製造・販売メーカー『アサヒビール』(東京都墨田区)で容器の開発研究にたずさわる黒田さんにくわしい話をきいてみた。

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「よく皆さんがおっしゃられている『プルタブ』ですが、現在採用されているタブは『ステイオンタブ』といいます。プルタブは昔の方式で、開缶すると缶から切り離されるものを指します。対してステイオンタブは開缶後もタブが残ります。後者を導入しはじめたのは1990年ごろからだったと記憶していますね」(黒田さん)

飲み口部分がマイナーチェンジしていたとは正直おどろきだ。この変化が「飲み口の左右非対称」となんらかの関係があるのだろうか? 話は本題へと迫る……。

「ステイオンタブ導入をきっかけに『飲み口の左右非対称』は採用されました。飲み口が左右対称だと、開缶時の力がフタ全体に分散し、非常に開けにくくなってしまうのです。非対称にすると一点に力を集中させられるため、少ない力でも開けられるのです。また、タブが“時計回り”に少しずつ開く構造になったため、開缶時に中身がこぼれにくくなりました」(黒田さん)

 
これまで何も気にすることなく缶ビールを開けていたが、「左右非対称」という小さな工夫と技術によって「より開けやすく」なっていたのだ!

「左右非対称」の謎はとけたものの、さらに気になるポイントが出てきた。タブが“時計回り”に開く理由である。

「右きき人口の割合が多いことに由来しています」(黒田さん)

なんともシンプルな回答だ。黒田さんいわく、過去には反時計回りで開くフタも存在したそう。しかし「右ききが大多数」とのことから次第に淘汰さていったのでは……と推測しているという。今や右きき大前提の缶ばかりのため、「なぜだか分からないが開けにくい」と思っている人は、もしかすると左ききが多いのかも。

(後略