イギリス光熱費高騰 来年は「年間100万円超」

ウクライナの都市に対して報復攻撃を続けるロシア軍。
戦闘が終わりを見せないなか、ヨーロッパではロシアからのエネルギー供給が大幅に減少したことなどが原因で、家庭の光熱費が高騰しています。

ヨーロッパの中でも、特に厳しい状況に追い込まれているのが、イギリスです。
「めざまし8」はイギリス在住の日本人を緊急取材しました。

「節約のしようがない」家の中でコートも…
「全部すべてのものが高騰したので、節約のしようがない」

「めざまし8」の取材にそう答えてくれたのは、会社員をしながらイギリスでの生活や料理の動画を投稿している、オズボーン未奈子さん。
1カ月あたりの電気・ガス料金は192ポンド、日本円にして、約3万1000円。東京電力の今月の平均モデル価格と比較すると、約3倍の値段です。

家族3人で生活する中で、少しでも節約をと調理の際には大きなオーブンは使わず、小さなオーブントースターで何でも焼くようにしているといいます。
さらに、家全体を暖める、セントラルヒーティングのスイッチを切り、暖房を“我慢する”生活をしているといいます。

イギリス在住 オズボーン未奈子さん:
どんなに寒くてもすごいお金がかかってしまうので、一人の時には絶対にヒーターを使わないって決めてます。寒いんですけど、家の中でコートとか着て。

仕事場も、気温が低い1階から、日の当たる2階へ移動させました。

“ヒーティングorイーティング”選択を迫られる人々
日々涙ぐましい節約を行っている家は他にも…。

バーミンガムに住む日本人の美穂さんと、イギリス人の夫・スチュワートさん。
値上げされる前の2022年1月の1カ月分の光熱費は日本円で、約3万8000円(235ポンド)。
しかし、4月以降の値上げにより、現在は1カ月約6万8000円(420ポンド)。差額は約3万円に達しています。

エアコンや部屋の電気もこまめに切るようにし、節電を心がけていますが、値上げ前と同じ量の電気とガスを使用していたら、倍以上(540ポンド/約8万8000円)はかかっていただろうといいます。
光熱費の高騰がこのまま続けば、イギリス社会全体に大きな影響が出るのではないかと不安を募らせる美穂さん。

イギリス在住 美穂さん:
イギリスも貧富の差が結構激しくなっていて、「ヒーティングorイーティング」って言われてるんですけども、ヒーターを付けるか、食べるかどちらかを選ばなければいけない家庭もたくさんあって。その人たちが困ることによって起こる「社会の不安定さ」がすごく心配だと。

https://news.yahoo.co.jp/articles/76999ac07fa9216f4bb32981f16be99bb2026682