「岸田首相よ、『聞く』のは政治家の商売じゃない」亀井元金融相の“危険球”の直言

俺はこれをやるというのが政治家
何もしないのでは日本は大変になる

――「一緒にやっていく相棒が見つかりそうにない」と政界を引退しましたが、岸田政権のこの1年をどう見ていますか。今年春ごろまでは高かった支持率は急降下しています。

 政権発足当初、しばらく支持率が高かったのは、新政権ということでまだ期待はあったし、何もしなかったから、いわば可もなく不可もなくということだったのだと思う。

 だが、ロシアのウクライナ侵攻があり、資源やエネルギー価格だけでなく物価が上がり、一方で賃金が上がらないから国民の生活は厳しくなるばかりだ。中国の海洋進出や米中対立激化で日本の安全保障への不安も強まるなど、いろんなことが重なってきている。

 首相の人柄は良いけれど、やることをやらないのでは意味がない。「聞く力」とかをアピールしているけれど、俺はこう思うからこれをやるというのが政治家。人の言うことをただ聞くのは政治家の商売じゃない。

――経済政策では、当初は分配重視の「新しい資本主義」を掲げていましたが、金融所得課税の強化を言って株価が下落すると、すぐに引っ込めてしまいました。最近では資産倍増計画ということで、NISA(株式などへの少額投資非課税制度)の拡充などを掲げて、格差を広げるような逆方向にいっているように見えます。

「新しい資本主義」は中身も、そもそも何を目指しているのかもよくわからない。岸田首相が目指しているのが所得再分配ということなら、やるのは簡単だ。

所得再分配重視を言うなら企業の内部留保に課税を

https://diamond.jp/articles/-/311224