約40分間の会見では、独特の岡田語を交えながら考えを伝えたが、温めてきたいくつものV構想がある。つまり矢野阪神とはガラっと変わる。
 そのひとつの象徴となるのが「虎メダル」の廃止だろう。
――「虎メダル」はどうするんですか?
「やらんよ。そりゃ、そうよ」
 筆者の直撃に岡田監督は一言だった。

 「虎メダル」は、昨年、主将の坂本がメジャーリーグのパドレスが行っている儀式を真似て「チームに一体感が出れば」とチームに取り入れた。
 今季はファンから公募。毎試合、アイデアに富んだ「虎メダル」が用意されて矢野監督がホームランを打った選手に自らかけるようになった。
メジャーではエンゼルスがホームランを打った選手に真っ白なカウボーイハットをかぶせる儀式をベンチ内で行っている。
 矢野監督が作ろうとしてきたチームの雰囲気を象徴するような儀式で、一部のファンからは「楽しい」と支持されていたが、その一方で、
球団OBや野球関係者、また一部ファンからは、批判的な声も聞かれていた。

「プロの勝利集団がやるべき行動なのか」「日ハムのBIGBOSSがやるならまだしも伝統のある阪神が取る行動としていかがなものか」
「打たれた相手チームへのリスペクトがない行為」などとの意見だ。
 ホームランを打った直後には、相手ベンチに動きが出る。会見でも岡田新監督は「143試合で一喜一憂していたらもたない」と語ったが、
そこで指揮官がやるべきことは、メダルをかけることではなく、次を“読む”こと。選手が心の底から感情を表に出して喜びを共感して
“一体感”を作ることは重要だが、それは「虎メダル」ではないだろう。近年は巨人の原監督でさえ、丸が本塁打を放った際に
マルポーズをしているが、会見で岡田監督がターゲットにあげたリーグ連覇のヤクルトでは、そんなことはしていない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2453ace7e8ba0ec0cac937c89b38f4536ff5b88f
https://hochi.news/images/2021/07/07/20210707-OHT1I51398-L.jpg