これは城北高校の歴史を変えた出来事です。城北高校は熊本県内では甲子園常連の、まあまあな強豪校でして、部員の9割が今でも寮生活をしております。やっぱり寮生活って言うのは厳しいもので、スナック菓子、炭酸飲料、カップラーメンは特に禁止されていました。

 ある日の夜、事件は起こりました。なぜか牧原さんは部屋で堂々とチキンラーメンを食べていたのです。

 しかも、どこかに隠れる事なく堂々と食べていたので相部屋の同級生に目撃されます。

 この同級生が凄く真面目で、激怒し注意。だけど、そこはさすが牧原さん。プロになるような人は一つ考えが違います。その同級生にこう言いました。

「袋めんやからイイやん」

 カップラーメンは食べてない、袋めんだから良いと言い張るのです。

 2人は大喧嘩。もう殴り合いになる寸前のところを上級生に見つかり、全員集合での緊急ミーティングが開かれることになりました。最初は牧原さんがバッシングされる一方。しかし、次第に確かに「牧原が言うことも一理あるな」と話は五分五分の展開に。

 翌日、監督の耳に入り練習前に部員全員が集められ監督が言ったのは驚愕の一言でした。

「俺は禁止にしとらん」

 そう、このルールはいつからか勝手に自然に出来ていたルールだったのです。

 が、牧原さんの勇気ある行動のおかげで袋ラーメンOKに。

 それだけじゃなくカップラーメン、スナック菓子、炭酸飲料全てOKとなり、これは現在の城北高校野球部にも継承されております。