■ずさんな対応
パルスオキシメーターは医薬品医療機器法で「特定保守管理医療機器」に指定されており、日本国内向けに販売する場合、国内に営業所を置いて販売業の許可を取得する必要がある。

原告側は「中国業者の偽造品は無許可販売に当たる」としてアマゾン側に通報、早急な対応を求めた。だが、偽造品の出品情報は削除されず、逆に原告側の正規品2点が「出品価格の誤設定の可能性が検出された」として、出品停止となった。

原告側はたまらず重ねて対応を求めたが、アマゾン側は昨年9月、原告側の商品ページごと削除する対応を取った。

偽造品の相乗り出品により、原告側はいわれのない「悪評」にも悩まされた。アマゾンのカスタマーレビューには「電源が入らない」「数値はめちゃくちゃ」といった偽造品を購入した人によるものとみられる書き込みが並んだ。「日本製という文句を信じてまんまとだまされた」と、原告側が偽造品を販売していると勘違いしたものもあったという。

原告側は、偽造品と間違われたことによる「悪評レビュー」の削除もアマゾン側に再三要請したが、現在まで対応はないという。

トライ社の藤井敬博社長は「アマゾンの販売ルートは抜け道があまりにも多い。日本の中小企業が品質の悪い脱法商品と価格競争せざるを得ず、このままでは国力が低下する」と訴える。

アマゾンジャパンは「訴状が届いていないためコメントを差し控える」としている。