ラマッラー:イスラエル軍が占領下のヨルダン川西岸地区で、20万人が住むナブルスおよび周辺の村の封鎖を開始してから火曜日で8日目となった。

いくつかの主要幹線道路は依然として封鎖されている。市への入り口はセメントブロックで塞がれ、無作為な移動検問所が住民の生活を混乱させ続けていると、パレスチナ人の情報筋がアラブニュースに伝えた。ナブルスやジェニンなどのヨルダン川西岸地区の町におけるイスラエル国防軍、国内保安機関シン・ベット、イスラエル国境警察による弾圧は終わっていない。

イスラエル軍や入植者を標的にしているとされる地元の武装組織「アリーン・アル・オスード」の構成員に対するイスラエル当局による逮捕作戦が行われ、数十人が逮捕され軽火器が押収された。同組織の150人の戦闘員は、ファタハやハマスなどの従来のパレスチナ組織には所属していない。

この地域のイスラエル人入植者は、パレスチナ人に対する攻撃を大きくエスカレートさせている。農民たちを襲撃し、村や町を標的とし、交差点を閉鎖し、木を切り倒し、パレスチナ人の車を破壊している。

この弾圧の背景には11月1日に行われるイスラエルの議会選挙があるとアナリストは見ている。今後、一種の集団的懲罰として襲撃がエスカレートする可能性があるとの懸念も上がっている。パレスチナ人を高圧的に扱えば、政治家たちがヨルダン川西岸地区に推定約70万人いる入植者たちの票を稼げるからだ。

ヨルダン川西岸地区と東エルサレムでは、今年になってイスラエル人の襲撃によりパレスチナ人120人以上が死亡、数十人が負傷、数百人が逮捕されている。

ナブルスのファタハ革命評議会のメンバーであるタイシール・ナスラッラー氏はアラブニュースに対し、ヨルダン川西岸地区の商業の中枢であり経済の中心である同市は閉鎖によって経済活動が完全に麻痺していると語る。

「ナブルスの経済サイクルが停止しているため、家具店や飲食店は全て客足の減少に苦しんでいます」と同氏は言う。

「従業員である私がラマッラーの職場に行くためにはイスラエル軍の検問所で4時間待たなければなりません。検問所を通過しても、ナブルスとラマッラーの間の道路沿いのあちこちにいる入植者たちに襲われるかもしれません」

今回の包囲は、悪いことにオリーブ収穫の最盛期と重なっており、農家にも影響が出ているという。

https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_78572/