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北朝鮮による核実験 岸田首相「可能性ある」

岸田文雄首相は20日の参院予算委員会で北朝鮮の軍事動向について「核実験の可能性もあると認識している」と述べた。一連の北朝鮮の行動に関し「国際社会全体の平和と安定を脅かすものであり断じて容認できない」と強調した。

外交・安全保障関係者の間では、開会中の中国共産党大会が終われば北朝鮮が核実験に踏み切るとの見方がある。

首相はロシアによる核兵器使用の可能性などへの認識を問われ「急速に緊張が高まっている国際情勢の冷徹な現実は、あらゆる可能性を想定し、備えを怠ってはならないと我々に告げている」と訴えた。

日本が2023年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の議長国を務めることに触れ「法の支配に基づく国際秩序や、世界の平和と安定を脅かす暴挙に反対し、国際社会の連帯と対抗の動きをけん引したい」と唱えた。

鈴木俊一財務相は同日の参院予算委で自動車関連税制について、電気自動車(EV)に走行距離に応じて課税する案について「一つの考え方ではある」と話した。

「厳しい財政事情を考えれば、いずれかの時点で負担のあり方の見直しも考える必要がある」と指摘した。「来年度に向けて与党の税制改正の議論を踏まえ、しっかり政府としても対応したい」と語った。

首相はロシアによるウクライナ侵攻を巡る国際協調に関し「アジア各国をはじめ、いわゆるグローバルサウス(南半球を中心とする途上国)と呼ばれる中間国に精力的に働きかけたい」と答弁した。