チルドゴマだれごぼうと冷凍食品の唐揚げ
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定年後、「風呂の中で泣いている」66歳男性の悲哀「上から目線なアドバイス」で孤独になった
https://news.yahoo.co.jp/articles/adeae4f00d581acf64687c07afda154201f73166

定年退職、嘱託を経て、今年から本格的に隠居生活に入ったという66歳男性から、鴻上尚史さんへの人生相談。弟妹からも妻からもつれなくされ、途方にくれる相談者に、鴻上さんがおくった第二の人生を生きるヒントは「無意識に自分の価値観をおしつけない」こと。『鴻上尚史のもっとほがらか人生相談』から、一部を抜粋してお届けする。

【漫画】死にゆく老犬と見送る高齢男性の「最後の一日」

■知らぬ間に弟妹、妻にうとまれていた

【相談】隠居後孤独で寂しくてたまらず、風呂に入っていると涙が出てきます(66歳・男性 有閑人)

 定年退職、嘱託を経て、今年から本格的に隠居生活に入った66歳です。隠居したら、今まであまり会っていなかった弟たち(弟が2人と妹が1人います)とも食事をしたり、妻とも旅行をしたり、のんびりしようと考えていました。

 しかし、いざ弟たちに連絡しても忙しいからと何度も断られました。ちょっとおかしいと思い、妹に連絡したら「お兄さん、気づいてないの?  みんなお兄さんが煙たくて、距離とっているんだよ」と。寝耳に水でした。

 妹によれば、私が長男で母から優遇されすぎたし、弟たちの学歴や会社をバカにしてたのが態度に出すぎてた、というのです。たしかに私は兄弟のなかでも学歴も会社も一番上で、母の自慢でした。弟たちをみて、不甲斐ないと思ったこともありましたが、それは私が努力したからです。弟たちにとって私は自慢の兄だろうと思ってきました。弟たちの不甲斐なさをちょっとからかったこともありましたが、兄弟のことです。

 思い切って弟に直接電話してたしかめると「姉ちゃんに聞いたんならわかるだろう。兄貴と呑んでもえばった上司と話しているみたいで酔えんから」とつれない返事でした。結局、妻も「旅行は友達と行ったほうが楽しいから」と、私と行こうとはしてくれません。

 弟たちの僻(ひが)みも、家族のためにと頑張って出世して養ってきた私に薄情な妻にも、許せないという気持ちでいっときは怒りでいっぱいになりました。妻が外出しようとしたとき、「食事ぐらい作ってからいけ」と怒鳴ってしまったこともあります。後悔して自己嫌悪になりましたが、後の始末です。妻とはさらに距離ができてしまいました。

 誰にも言えませんが、最近、風呂に入っていると涙が出てきます。弟たちのことだけでなく、振り返ればとくに心を割って話せる友人もいないことに今さら気づきました。