勉強しない日本の大学生と、死に物狂いで勉強するアメリカの大学生

10/23(日) 6:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d05cb8940382c45e2e46b8d363c77be9928de101

 日本の人材は、国際的ランキングで評価が低い。
日本人は大学入試までは必死に勉強するが、それ以降は勉強しないからだ。
それは、日本企業が専門能力を評価しないからだ。
アメリカでは、大学や大学院での成績で所得が決まるため、学生は必死で勉強する。

「高度人材」ランキングでも、日本の順位は低い

 スイスのビジネススクールIMDが作成する世界競争力ランキングで、日本の順位が世界最低になる項目がいくつもあると、前回述べた。
IMDが作成するもう一つのランキングである「世界タレント(高度人材)ランキングWorld Talent Ranking 2021」にも、日本が世界最低になる項目がある。

 最新版の2021年度を見ると、全体では64カ国・地域の中で第39位だが、「経営層の国際経験」は64位で、文字通り世界最低位だ。

 これ以外にも、「言語力」の62位は最低位に近いし、「管理職の能力」の58位も低い。

日本人が勉強するのは、大学受験まで

 このランキングで私が注目したいのは、日本の評点は、高校までの教育成果を表す「PISA評点」では世界第5位と非常に高い評価であるにもかかわらず、「大学教育」では54位と低い評価になってしまうことだ(PISA調査とは、OECDー経済協力開発機構ーが、義務教育修了段階の15歳児を対象行なっている学習到達度調査。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野で実施している)

 つまり、日本人は、高校生までは真面目に勉強するので世界トップクラスの評価になるが、大学に入学してからは勉強しないので、世界最低位に近い評価になってしまうのである。

 これは、われわれの日常的観察とも一致する。

 「ガリ勉」とか「点取り虫」というのは、小中高校生についていう言葉だ。
大学に入ってしまえば、勉強しない。「大学に入学してから死に物狂いで勉強した」などと言ったら、よほどの変わり者と思われるだろう。

 しかし、専門家としての教育は、大学・大学院で行なわれるのである。
その段階で勉強しないのだから、高度人材のランキングが低くなってしまうのは、当然のことだ。