2019年にEUからの脱退を果たしたイギリスは、これまであまり積極的に利用してこなかった「英連邦」というユニークな国際機構を奇貨としてとらえ、すでに経済・安全保障同盟へのバージョンアップも画策。
特に安全保障に関しては、これまで緩慢だった「5カ国防衛取極」(英、豪、ニュージーランド、マレーシア、シンガポールの英連邦5カ国が加盟する軍事同盟)の活動を活発化させたほか、英連邦の定例会議でも防衛協力の話題が目立つようになってきているという。
もちろん今回のロシアによるウクライナ侵攻でもイギリスはこの枠組みをフル活用、ロシアへの制裁に否定的なインドに対しても「英連邦仲間」という特別な関係でアプローチ、新たに防衛協力を締結するなど懐柔策を図っている。

アメリカが掲げる対中包囲網に賛同しインド太平洋地域への関与を急激に強めるイギリス。
今後中国やロシアに対し「英連邦」というカードをどのように切っていくのか注視したい。
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