【ワシントン=浅井俊典】バイデン米政権は4日、ウクライナに対し、4億ドル(約580億円)の追加軍事支援を実施すると発表した。チェコが保有するT72B戦車45台と旧式の地対空ミサイル「ホーク」を改修して提供するほか、1100機の自爆型ドローン「フェニックス・ゴースト」を搬送する。
 AP通信によると、国防総省は4日、ウクライナへの軍事支援を続けるための司令部をドイツに新設することを明らかにした。米国が供与した兵器の一部が、侵略を続けるロシア側に流出した疑いが浮上したことから、提供兵器を管理・追跡し、ウクライナ軍兵士の訓練も実施する計画だ。
 今回の追加支援では、チェコが提供するT72B戦車に最新の通信機能を追加したり、装甲を強化したりする改修費用を米国が負担する。オランダ政府も別の45台の改修費用を負担し、計90台が送られる。
 「ホーク」は、これまで供与してきた携帯型地対空ミサイル「スティンガー」より射程が長く、ロシアによるドローン攻撃に対抗する狙いがある。
 サリバン大統領補佐官は4日、予告なしにウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れ、ゼレンスキー大統領らと会談した。追加の軍事支援の内容を伝えたほか、経済・人道面の支援継続を確認し、米国の揺るぎない支持を強調した。

東京新聞c2022年11月5日 22時28分
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