人間は複雑な情報を処理しながら、長距離を走る能力を身につけた。米ノースフロリダ大学の心理学教授で著書に『Think Like a Girl』を持つトレイシー・パッキアム・アロウェイ博士の研究では、ポーカーのチップを踏みながら16分以上走ったランナーの作業記憶(ワーキングメモリ)が20%向上した。作業記憶は、特定の作業に必要な情報を取り出して使う大事な脳力。

意外にも、この作業記憶の向上に走るペースは関係なかった。アロウェイ博士によると、普段のジョギングやスプリントで作業記憶を鍛えたいなら、狙い通りのポイント(地面の亀裂の一歩先や真上など)に足を着くようにするといい。

ウォーキングが好きな人は......冒険的な要素を取り入れて
ライクレン博士の話では、ルートを変えたり舗装されていない道を選んだりすると、脳のマルチタスク能力、決断力、空間ナビゲーション能力、検索能力が使われる。ライクレン博士の過去の研究でも、屋外でトレーニングをする大学のクロスカントリー選手は、座りがちな学生よりも実行機能をつかさどる脳の領域が活発だった。

もっと冒険してみたいという人は、オリエンテーリング(地図とコンパスを用いてゴールを目指すスポーツ)やジオキャッシング(GPSとインターネットを利用した宝探しゲーム)にトライして。


https://www.womenshealthmag.com/jp/fitness/a41795625/brain-body-connection-exercise-20221101/