官僚も議員も失笑…岸田首相の経済対策が「タダの選挙対策」「実は増税の布石」がバレバレな理由

 急速な円安進行や物価高・資源高によって国民が負担増に苦しむ中、政府は10月28日に総合経済対策を決定した。上昇する電気代やガス代の緩和策を盛り込み、来年1月以降の家計負担を総額4万5000円ほど和らげる。

 だが、生活必需品の値上げラッシュは今に始まったことではない。9月の消費者物価指数は前年同月比3%上昇と31年ぶりの水準で、人々は「明日より今日」の生活に頭を抱えている。対策の中身を見ても、支持率が続落する岸田文雄政権による選挙対策が色濃くにじむとともに、自民党内のパワーバランスが変化している実態が浮かび上がる。

 「平均的な家庭で、来年前半に総額4万5千円の支援となる」

 岸田首相は10月28日の記者会見で、経済対策で打ち出した支援策によって国民生活を守っていくと強調した。電気料金は1kWhあたり一般家庭で7円、企業には3.5円を支援して「平均的な家庭の負担増に対応する額」(岸田首相)にあたる月2000円ほど負担が軽減されるという。

 ガス代(都市ガス)も1立方メートルあたり30円を支援し、標準家庭で月900円の負担減となる。首相は「電気代の2割引き下げや、ガソリン価格の抑制などにより、来年にかけて消費者物価を1.2%以上引き下げていく」と宣言した。

 物価高騰対策に重点を置いた首相だが、これには「カラクリ」がある。

 お気づきの人も多いだろうが、経済対策では家庭の電気代について、「来年1月から来年度初頭に想定される平均的な料金引き上げ額の約2割分を国において負担する」としている点だ。対策の中にも「特に来年春以降の急激な電気料金の上昇によって影響を受ける家計や価格転嫁の困難な企業の負担を直接的に軽減する」と目的が記されている。

 だが、31年ぶりの水準となった9月の消費者物価指数を見ると、前年同月と比べて電気代は21.5%、ガス代は19.4%もそれぞれ上昇している。つまり、「すでに上がっている分」の負担増が支援されるというわけではないのだ。ロシアによるウクライナ軍事侵攻に伴いエネルギー価格は上がっており、来年はさらに上昇するとの見方が強い。岸田政権は「来年分」は支援するものの、足元の上昇分は国民に「家計負担増を受け入れて欲しい」と言っているに等しい。

※略※

https://news.yahoo.co.jp/articles/0c7d6bfe495e84f550ca008e02d3feb1174520bb