【独自】文在寅前大統領、金正恩総書記にプレゼントされた犬3匹を韓国政府に引き取り要請
3頭の飼育費月250万ウォン予算支援計画、政権交代後に「待った」
文前大統領側は政府に「豊山犬引き取って」と連絡

 文在寅(ムン・ジェイン)氏が、大統領だった2018年に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記からプレゼントされた
北朝鮮原産の犬「豊山犬」ひとつがいと、その子1匹について、
慶尚南道梁山市内の私邸で飼い続ける意思がないことを韓国政府に伝えていたことが分かった。
この通知は文前大統領が退任直前に担当部処(省庁)と話をつけていた月当たり最高250万ウォン(約26万円)の「犬の管理費」予算支援に対して、
新政権が否定的な見解を示した状況で行われた。

 政府関係者が6日に明らかにしたところによると、文前大統領側は5日午前、行政安全部に
「退任とともに慶尚南道梁山市内の私邸に連れて行った豊山犬3頭を国に返す」という意思を伝えたとのことだ。

 文前大統領は2018年9月、平壌で行われた第3回南北首脳会談時、北朝鮮側からコミとソンガンイという豊山犬2頭をプレゼントされた。
この豊山犬のつがいは韓国で子犬を7匹産んだが、6匹はほかの地域に引き取られ、ダウニという1匹だけを青瓦台で親犬と一緒に飼っていた。
そして退任に伴い文前大統領と共に青瓦台を去り、これまで慶尚南道梁山市内の同氏の私邸で過ごしてきた。

 豊山犬を返すという通知の背景には、毎月250万ウォンほどの「犬の管理費」を誰が負担するかという問題があったという。
現政権が「犬管理費予算支援」に難色を示すと、文前大統領側が「それなら引き取って」という意向を明らかにしたということだ。

■与党関係者「かわいそうなのは南北政治ショーに利用された犬」

 取り決めに基づき、行政安全部内部では事実、1カ月当たりえさ代35万ウォン(約3万5000円)、医療費15万ウォン(約1万5000円)、
犬の飼育人件費などで200万ウォン(約21万円)など合計250万ウォン程度の予算編成案が組まれた。

 しかし、編成案は半年たっても執行されていない。行政安全部と法制処の内部やその周辺から反対意見が出たからだ。

 反対意見の中には「義務ではなく自発的な意思で飼うと言っていたのに、なぜ予算支援が必要なのか」
「飼育係の人件費まで予算支援することが国民の目線に一致するだろうか」
「文前大統領は豊山犬のほかにも猫などの動物をたくさん飼っているが、予算が別の動物に転用されないということが検証できるか」などがあった。

 豊山犬を引き取ってほしいという通知の理由を尋ねると、文前大統領側は回答を避けた。
文前大統領は、大統領経験者礼遇法により、オ・ジョンシク秘書官、シン・ヘヒョン秘書官、
パク・ソンウ秘書官という秘書官3人と運転手1人が当てられている。

 朝鮮ドットコムが4日に電話取材を試みたところ、オ・ジョンシク秘書官は「文前大統領にお仕えするのに忙しく、電話で話すのは難しい。
シン・ヘヒョン秘書官に連絡してほしい」と言った。だが、シン・ヘヒョン秘書官は何度連絡しても回答がなかった。

 大統領記録館のシム・ソンボ館長は6日、「申し上げる言葉がない」と言った。
「豊産犬たちを政府が所有するにしても、前大統領が飼っていたのに、費用を理由に返すというのは道義的に正しいと思うか」と質問しても、
同館長のコメントは変わらなかった。

 与党関係者は「犬を3頭飼うのが難しいからといって国にお金を出してほしいと要請するものだろうか。基本的に犬が好きではなかったようだ」
「南北の政治ショーに利用された犬がかわいそうだ」と語った。

チェ・フンミン記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/11/07/2022110780138.html