第1は、国民としてあるいは大学や企業でもいいが、集団レベルでも、個人レベルでも、自分自身を尊重することだ。平凡に響くかもしれないが、自分の未来を大事にするには自分を尊重しなければならない。たとえば誰かの家に行って乱雑で汚いとすれば、その人は自分を大事にしていない証拠だ。その人の未来は暗い。身だしなみをきちんとし、スポーツに励み、健康に留意し、自己管理しているか。まずは自分を大事にすることだ。

 第2は、長期的視野を持つこと。5年後、10年後に自分は何をしているか、どうなっているかを絶えず自問すること。それがあってはじめて今、自分の時間を大事にできる。長期的展望を持ってはじめて、密度の高い時間、内容の濃い人生を生きることができる。人生は1回だけだ。

 第3は、共感を持つこと。他者の立場に身を置いて物事を考える能力だ。この能力が日本人には欠けている。外国人がどう考えているか日本人にはわからない。外国人を受け入れない。諸君はアショカ王を知っているか。インドのナーランダ寺院を知っているか。日本の仏教文化はアショカ王やナーランダ寺院なしには存在しない。敵であれ味方であれ、他人の行動を理解しようと努めること。