https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220801/2000064469.html

乳児落とされ死亡 大阪市虐待検証部会“ 情報共有が不十分”

大阪市の児童虐待への対応を検証する有識者の部会は、おととし、生後7か月の赤ちゃんが団地の階段の踊り場から落とされて亡くなった事件について、母親から子育てに関する相談がたびたび市などに寄せられていたにもかかわらず、対応や部署間の情報共有が不十分だったとする報告書をまとめました。

大阪市内では、おととし1月、生後7か月の赤ちゃんが団地の階段の踊り場から落とされて亡くなり、殺害した罪に問われた母親に対して大阪地方裁判所は、「育児や家事の疲労が蓄積するなか、行政機関などに何度も助けを求めたが、適切なサポートが得られなかった」などと指摘しました。
これについて弁護士などでつくる大阪市の検証部会は、母親から子どもを預けたいなどという相談が10回余り市や地元の区にあったにもかかわらず、双方の対応や情報共有が不十分だったうえ、当時、区の児童虐待の担当者に欠員が出ていて、体制に課題があったと指摘しました。
また、4年前に、複数のあざがある生後5か月の赤ちゃんが脳出血などで重症だとして保護されたケースについても部会は報告書をまとめ、子育てに不安を感じていた母親に寄り添った支援が必要だったと指摘しました。
大阪市の青柳毅 子育て支援部長は、「同じようなことが二度と起こらないよう、提言を施策に生かしたい」としています。