立教大学(東京都豊島区、総長:西原廉太)の村田次郎理学部教授は、カーリング競技で用いられるカーリング石が「反時計回りに回転させると、進行方向に向かって左側に曲がっていくのはなぜか」という、98年間にわたって科学者の間で真っ向から対立する仮説に基づく議論が繰り広げられてきた「世紀の謎」を、精密な画像解析によって実験的に解決することに初めて成功しました。

私たちの4次元時空を超える5次元以上の「余剰次元」の探索実験の為に開発した画像処理型変位計測技術を応用する事で、ミクロン精度でカーリング石の運動を精密観測した結果、中心からずれた点での摩擦支点を中心に石の重心が振られる、旋廻現象によって偏向が起きる事、そして速さが遅いほど摩擦が強まるという、通常は一定と考える動摩擦係数が実際には速度依存性を持つ性質により、氷に対する速さが異なる左側と右側とで、非対称な頻度で旋廻が生じると考える事が偏向の原因として最も合理的である事をデータに基づいて明らかにしました。

この研究成果はSpringer-Nature社のScientific Reports誌に9月3日付で掲載されました。
論文情報

タイトル: Study of curling mechanism by precision kinematic measurements of curling stone’s motion
著者: Jiro Murata
誌名: Scientific Reports 12, 15047 (2022)
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-022-19303-4
Supplementary動画を含むURL: https://rdcu.be/cUTFA

https://www.rikkyo.ac.jp/news/2022/09/mknpps0000020uo9.html