「皆がコスト削減で必死に努力しているなか、電通にこんなに手数料を払うのはおかしい。計算式をぜひ見直してほしい」

 2018年6月の東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の理事会。ある理事が、スポンサー収入に対して広告最大手「電通」が多額の業務報酬を得る仕組みを疑問視し、質問した。

 すると、電通OBの理事だった高橋治之被告(78)が怒鳴り声をあげた。

 「電通は人も出して、赤字覚悟でやってんだよ!」

 電通から出向中の組織委マーケティング局長を名指しし、「ちゃんと答えろよ!」とも促した。局長はうつむいたまま無言だった。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQCB6KSWQC4UTIL026.html