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浜田雅功のものまねで話題のハリウリサ、LGBTQであることのカミングアウトと念願の歌手デビューを語る

ハリウさんはこの曲の中で、自身が“性的マイノリティ”であることもカミングアウトしている。

「私もまだ明確に認識できていないのですが、自分が女性なのか男性なのかを限定せず、性にとらわれない“Xジェンダー”が、私のセクシュアリティに最も近い印象です。恋愛対象は子どものころから女性だったので、友達に好きな人を訊かれたら女子の名前を答えていました。でも、学年が上がると『女の子が好きなの?』と周りが不思議に思っているのを見て、自分はほかの人と違うのかも……と考えるようになりました」

 それからは、男性が好きなフリをして、女性らしい服を着るなど“女の子”になる努力をした、とハリウさんは振り返る。

「この仕事を始めてから、自分のセクシュアリティについて事務所の先輩にも相談しました。隠すつもりはありませんでしたが、私のデビュー当時はまだ、女性のLGBTQは扱いにくいという理由で、大々的な公表は避けていたんです。でも最近になってLGBTQの話題がポジティブに扱われるようになり、ホリさんやはなわさんと相談して、曲にも入れる決心をしました。何より、母が私の性を受け入れてくれた事実は“母の曲”を歌ううえでとても重要な出来事なので、避けることはできなかったですね」

 彼女が語るように、『ヴィルマ』の歌詞には、ありのままの自分を受け止めてくれた母への感謝の言葉があふれている。

 そんなハリウさんの家族へのカミングアウトは、突然訪れたという。

「実は一度だけ『もしかしたら好きになれるかもしれない』と感じた男性と、お付き合いした経験があるんです。それでもやっぱり、男性は恋愛対象になりませんでした。そのお相手は先輩の男性芸人さんなのですが、数年前にある番組で、私たちが元カップルである過去が暴露されたんです。すると、放送を見た母から『リサが男性を好きなはずがない!』と言われ、初めて自分の性について親と話すきっかけになりました」

 ヴィルマさんも、ハリウさん自身が女性らしく振る舞うことに違和感を持っていて、恋愛対象が女性であることにも気づいていた、と話してくれたという。

「母が私に、女の子らしくしてほしい、と思っているのはわかっていました。それでも昔、周りの保護者に『リサちゃんは女の子なのに男っぽくて変』と言われたときには『リサは誰にも迷惑をかけていない。あの子はこのままでいいの』と、反論したそうです。今は“リサらしくいてほしい”と言ってくれていますね。少し過保護すぎて衝突することもありますが、母はいつも私のいちばんの味方でいてくれています」

『ヴィルマ』には、わが子のすべてを受け入れる母の姿も描かれているのだ。

 さまざまな思いが詰まったオリジナル曲を聴いた、ヴィルマさんの反応やいかに?

「母はものまねよりも“ハリウリサ本人”として歌手活動をしてほしいと常々言っていたので、とても喜んでくれています。ただ、曲中に『ひとりで生きていく』という歌詞があるのですが“リサは私から離れるつもりだ”と勘違いして『あの曲は発表しないで!』と反対されちゃいました(笑)。あれは“自立”という意味だよ、と必死に説明して、なんとか納得してもらえました。今は応援してくれています。日本語って難しいですね(笑)」

 芸歴9年目にして、歌手としての第一歩も踏み出したハリウさん。今後はさらに活動の幅を広げたいと語る。

「これからも、ものまねの腕をしっかり磨きながら歌の仕事にも邁進していきます。また、私のようなルーツで、マイノリティの立場の芸人が舞台に立つことで、勇気づけられる人もいるかもしれないので、どんどん発信していきたいですね」

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