「裸にしないで」 小中学校の健康診断 盗撮事件に不安も

11/13(日) 18:00配信

 保護者らの不安を高めたのは、7月に明らかになった学校健診現場での担当医による盗撮事件だ。岡山市の男性医師(47)が中学校での健診時、下着姿の女子生徒らをペン型のカメラで盗撮したとして岡山県迷惑防止条例(卑わいな行為の禁止)違反の疑いで警察に逮捕された。医師は別の小学校でも、内科検診中に上半身裸の女子児童らを盗撮したとして起訴された。金井さんは事件を報道で知り「氷山の一角なのでは」と不安を抱いたという。

 一方、学校側の言い分はこうだ。長岡京市教委によると、地元医師会が「背骨が左右に曲がる脊柱(せきちゅう)側湾症などを見落とさないため、上半身の脱衣が必要だ」とする見解を示しており、それに基づいて上半身裸で健診を行っている。他の児童生徒から見えないようについたてを立てたり、バスタオルを羽織らせたりする学校もあるが、医師に裸を見せるのはやむを得ないとの立場だ。

 同様の動きは全国で起きている。千葉県の会社員、高田愛子さん(34)は中高時代の健診で、男性医師の前で上半身を裸にさせられ、ショックを受けた。女性の養護教諭に相談したが、「医師はいやらしい目で見ていない。疑うあなたがおかしい」と取り合ってもらえなかったという。

 ◇当事者の声が都議会動かす

 「街のショーウインドーで半裸のマネキンを見た時などに記憶がよみがえり、今も苦しくなる」。トラウマを抱えた高田さんは20年、着衣での健診などを文部科学省に求める署名活動をオンラインで始めた。開始から半年ほどで署名は2万件を超え、「死ぬほど嫌な思い出だ」「恐怖で病院に行けない」などの声も寄せられた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3bd8c217775397a257c0c8707350ed0f36092795