使い捨てにされる外国人労働者
仏メディア「ユーロニュース・ドイツ」によると、カタールが強く批判されているのは、LGBTQコミュニティや移民労働者、女性の権利が守られていないためだ。カタール政府はFIFAや人権団体によって以前から改革を求められてきたものの、それらを実施しないまま開催を迎えようとしている。その一方で、カタールはワールドカップの場を利用して自国を肯定的に見せようとしているのだ。 なかでも特に問題視されているのが、同国が大量に受け入れている移民労働者の劣悪な環境だ。ワールドカップ開催のためにスタジアムが建築されたが、その工事に従事する多くの労働者が命を落としたとされる。それに対する補償や適切な対応もなかった。 英紙「ガーディアン」によると、カタールが開催国に選定された2010年からの10年間で、インドやパキスタン、ネパールなどの南アジアの国からカタールに出稼ぎに来ていた労働者6500人以上が死亡した。カタール側は、「スタジアム建設に直接関連する」死者が37人いたと発表しているが、死亡者の約70%の死因については充分に調査されていなかった。 同じくカタールへの出稼ぎが多いフィリピンやケニアからの労働者の死亡数は明らかになっていないことから、実際の数はさらに大きくなると予測されている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0f7bf296942a68dde5e2f47048218d96f449e59