日本の軍隊でまん延していた「員数主義」は戦後、日本企業に受け継がれた。当たり前だ。日本の戦後復興をした人たちは100%、戦時教育を受けた人で、大企業なども軍隊経験者が多く入ったからだ。
そういう「員数主義」の洗礼を受けた人たちが、管理職となり社長となり、戦後世代に「ビジネスとは何か」ということを手取り足取り教え込んだのである。日本企業が今も「員数主義」なのは当然だ。
下級将校として終戦を経験した山本氏は、「員数主義」という「病」こそが、日本軍という組織が機能しなかった元凶だと考えていた。
「戦後、収容所で、日本軍壊滅の元凶は何かと問われれば、殆どすべての人が異口同音にあげたのがこの『員数主義』であった。
そしてこの病は、文字通りに『上は大本営より下は一兵卒に至るまで』を、徹底的にむしばんでいた。もちろん私も、むしばまれていた一人である」
 不正や不祥事で壊滅した組織の内情も見た経験のある筆者も、山本氏の考えに非常に共感する。
社長から現場の社員まで組織内の「数字合わせ」という論理に取りつかれている企業は、
ほぼ例外なくモラルが壊れる。日本軍のように、外部の声を無視して、独善的な暴走をしてしまうのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/549f9135c9ac2bfb34706510f505e96542881785?page=5