北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、30日間にわたって国営メディアで動静が伝えられず、「空白期間」がことしに入って最も長くなっていて、その背景に関心が集まっています。

18日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は「キム・ジョンウン総書記の献身的な指導のもと、われわれは政治軍事強国をつくり上げている」として、忠誠を呼びかける社説を1面に掲載していますが、キム総書記の視察などの動きは報じていません。

北朝鮮の報道を分析しているラヂオプレスによりますと、キム総書記の動静は、党の中央幹部学校で記念の講義を行ったことが、
先月18日に国営メディアで伝えられたのが最後で、動静報道のない「空白期間」は、17日までで30日間と、ことしに入って最も長くなっています。

北朝鮮の国営メディアは、先月10日、29日間にわたって動静が伝えられていなかったキム総書記が、弾道ミサイルの発射を7回繰り返した「戦術核運用部隊」の訓練に立ち会っていたと伝えた経緯があります。

一方、韓国の情報機関はことし9月の時点で、キム総書記の健康状態に異常な兆候は見られないとする分析を明らかにしていました。

北朝鮮は異例の高い頻度で弾道ミサイルなどの発射を続ける中、日米韓3か国への追加の対抗措置を示唆するとともに、7回目の核実験の準備を終えたとみられていて、キム総書記の動静が伝えられていない背景に関心が集まっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221118/amp/k10013895801000.html