でも、被害者なんです。それを堂々と言っていい。これだけ性犯罪が多い国ですから、誰もが被害者になりえる。だから周囲は、レッテルを貼らずに、フラットに向き合うべきです。被害者を傷つけてはならないと思うあまりに、「無理せず、話せるだけでいいですよ」と言ってしまいがちですが、その配慮も何か違う。精神的に不安定である前提になっていることを嫌がる人は多いと思います。

 周囲はまず、被害を語り始めた強さに敬意を持ち、ちゃんと受け止めることが大切です。そして、どうしたいかを聞く。支援者が「ケアをする人」という立ち位置にならず、互いに尊厳を持つ個人として対等に付き合うことが重要だと思います。